フランスでEuphonium奏者(たまにセルパン)として活躍する友人、小杉瑞穂さんからの情報。
老舗楽器メーカーとして名高いビュッフェ・クランポンのパリ店で先日サロンコンサートが行われたとのことです。扉を開放しての演奏で店内というよりは店外へ聴かせるような趣向もあり。
Baumet氏の素晴らしい音色が程よい空間の響きに乗って、開いた扉から道行く人々にも伝わったのではないでしょうか。
ちなみに通常時の店内をバーチャル訪問できるサイトがあるのですが。
見ているだけで楽しいので本来の目的を忘れてしまうのですが、注目すべきは地下のスタジオ。個々のブースに扉が付いていないのですね。
先述のサロンコンサート然り、音が聞こえてしまうことへのナイーブな考えが比較的少ないのかもしれません。
小杉さん曰く、フランスでは外出自粛期間中、音楽家の集まるアパートでベランダコンサートをすることもあったとのこと。
ここから見えてくるのは、決して日本も外国と同じように音楽が市民に許容され受け入れられるべきだ!ということではなくて。
私たちが何をしているのかお話をすること、沢山の方々に知ってもらうためのテーブルをまず「私たちが」用意することなのかなと。
一般社会と文化芸術の世界を分けて語られることがしばしばありますが、どちらに属していようと同じ町内に住んでる人間だったりするわけです。
同じように回覧板は回ってくるし、町内の当番はやってきます。
ご近所でもあまり知らない人には当番を頼みづらいし、話しかけるのにも勇気が要ります。
その拡大版というイメージで、普段のお仕事や暮らしについて身分を明かしていくことが円滑な関係や接点をたくさん持つ、ひいては文化芸術と一般社会が溶け合っていくことにつながると感じました。
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